会長挨拶

第16回日本内分泌学会関東甲信越支部学術集会開催にあたって

このたび、第16回日本内分泌学会関東甲信越支部学術集会を、2015年9月25日(金)・26日(土)の2日間にわたり、千葉市幕張メッセの国際会議場で開催させていただく運びとなりました。日本内分泌学会には全国規模の学術集会として、基礎と臨床の最新の研究を中心とした学術総会と、実地診療に関わる医師がアップデートな知識と技能を身につける臨床内分泌代謝Updateがあります。これに加え各地域の活動を活性化するため内分泌代謝疾患の診断、治療、予防に関する最新の知識を習得する場としての各支部の地方会が開催されてきました。

とくに、関東甲信越支部は、平成26年の会員数2,939名と日本内分泌学会の会員総数(約7,500名)の約4割を占めており、その学術集会も最大規模で、かつ最も活発です。本会では首都圏・甲信越地域における臨床内分泌・代謝・糖尿病の専門医をはじめとして、研修医や学生も参加し、一堂に会して活発な議論がおこなわれてきました。

今回のテーマは「症例から学ぶ内分泌・代謝疾患 -知の継承と発展-」とし、特別講演には恩師であり、第29回日本医学会総会会頭を務められた京都大学名誉教授 井村裕夫 先生をお迎えして、「症例が拓いた内分泌学-その歴史と展望-」と題してお話しいただく予定です。多くの先生方のご参加をお待ちしております。

そして、本学術集会の新規企画として「インストラクションコース」をもうけました。1名のOrganizerと複数名のInstructors(ベテランと中堅)から構成します。その初級コースでは症例の特徴から出発し、その診断・治療を通じて、病因・病態解析を解説していただきます。上級コースではディベートを主体としたものになります。いずれのコースも事前配布のシラバスに沿って提示し、症例から出発し、内分泌代謝疾患をわかりやすく、多面的に掘り下げるものとなります。本来はテーマとorganizerは公募ですが、今回は初回でもあり、「遺伝と環境」:一卵性双生児とepigenome解析、「Cushing病の診断と治療」など、テーマとorganizerは指名しました。

さらに、会長講演「ホルモンの超高感度ホルモン測定法からみえてくるもの: bed side から lab. benchへ」では、ペプチドホルモンを中心に、超高感度測定法開発の必要性を述べ、ホルモン自己抗体に対する新規の超高感度測定法は、発症前診断と先制医療の一翼を担う可能性について紹介させていただきます。

そのほか、一般演題はすべてを口頭発表とします。発表者は制限時間内に、わかりやすく症例を提示し、質疑・応答に磨きをかけてください。例年と同じく、優秀演題賞も用意しました。各座長はコメンテーターも兼ねます。そして、教育講演、女性医師・研究者支援の取組、ランチョンセミナー、スポンサードセミナーなどを通じて、若い内科医や広い領域を対象とする臨床医にも有用な情報を提供し、最新の臨床医学を反映した充実した会にしたいと鋭意、準備に励んでいます。

多くの皆様からの、症例報告や臨床研究としての演題のご応募、またご参加を心よりお待ちしております。